NorikoManiwaの風のまにまに

杉並在住アラフィフライターのポストコロナ生活

勝手にバトン④ 他人事でない「兄の終い」は私にとって実用書

ポストコロナで購入した実用書7のお次は「兄の終い」村井理子著(CCCメディアハウス)。

これは友人が「Book Cover Challenge」であげていて興味を持った一冊。

離婚後、体を壊し、職を失い、貧困から這い上がることなく死んでいった兄の弔い、という救いようのない内容なのですが、(ネタバレにぎりぎりに言うと)絶望では終わらないのがいい。さらりと、一気に読めちゃうのも巧み。タイトルの書体も、イラストのタッチも、帯の幅も、すべてが絶妙。

 

ルポとも手記とも私小説ともいえるものだが、他人事ではなく明日は我が身(兄側になっちゃうかも、という意味でね)と怯える自分にとって、リアルな話であり、疎遠になった肉親の「終い」にはこんなことが起こりえるのか、という指南書のようでもあるので実用書としてセレクト。

 

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スタイリッシュな装丁のイメージに反してどーんと重い。でもさらりと読めちゃう文章なのが絶妙。