NorikoManiwaの風のまにまに

杉並在住アラフィフライターのポストコロナ生活

勝手にバトン/似て非なるふたりによる往復書簡は含蓄ある人生論に ⑦

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文字のQ数も大きくてハンディサイズの読みやすい一冊。でも中身は含蓄がありずっしり。

ポストコロナに自腹で購入した実用書。

最後の一冊は「女二人の手紙のやりとり 人生論 あなたは酢ダコが好きか嫌いか」佐藤愛子小島慶子著(小学館)をセレクト。手紙のやり取りだけでも、ともに筆達者なおふたりなので、笑いながらさらりと読める書簡集。けれども、その内容はずしりと重い!

 

立場は違うにせよ、人生って因果よね。選べない大変な沼に自ら飛び込んでしまうようなもんよね、としみじみしてします。

ともに「怒れるオンナたち」というイメージのお二人なのですが(世間に、社会に、夫に、自分に!)年の差もなんと約50歳差!(佐藤愛子さんがすでに94歳ということにも驚き!)怒るポイントも笑ってしまうポイントも、おそらく正義とは何かのポイントもすこしずつずれているだろうから面白い。

 

ここで一文だけ抜粋を。

「蛸の酢の物」を酸っぱいから嫌いだという人を、味のわからん奴、と怒ってもしょうがない(佐藤愛子

 

これに尽きます。

そう思うとあらゆることがラクになる。

コロナ離婚に、親子関係に、思わぬ方向に転ぶ運命に。コントロールできるはずがないなにかに翻弄されていると悩むなら、ぜひ手に取ってみて。

 

ちなみにこの1冊、女性セブンに連載されていた時のタイトルは「佐藤愛子×小島慶子往復書簡 夕立ち雷鳴×ときどき烈風」というのも絶妙! タイトルだけで勝ったも同然、みたいな凄いタイトルセンスなのです。

 

間違いなく自分より、濃密な人生を送っているであろうお二人の往復書簡。

波瀾を乗り越えるための指南書、実用書として最後の1冊にしました。